医師の説明(その2)

父親と一緒に病院に行って直腸がんの手術の説明を受けてきました。

予約の時間は10時30分でしたが、

実際に説明を受け始めたのは12時少し前でした。

前回も2時間待ちでしたが、

これはしょうがないことだと思います。

病院はそれでも努力している方だと思います。

説明を受けるとともにいくつかの書類を渡されました。

その中にいくつかの承諾書と手術に関する説明書がありました。

この説明書はかなり難解な文書なので、

医師から口頭で説明を受けました。

手術の手続きとして今回の説明が正式なものとしては最後で、

後は6月14日入院、16日手術と予定どおり進んでいくことになります。

父親の手術で一番の問題は85歳の高齢であるということです。

もし、今と全く同じ状況に95歳でなっていたとしたら、

手術をしないで経過観察するという判断もあるです。

経過観察というのは私の理解では、何もしないで放置しておく、ということです。

がんは時間とともに大きくなったり、転移したりしますが、

厚生労働省によると85歳男性の平均余命は6.18年。

数字上の話ですが、

父親に残された時間は仮に今回がんと診断されなくても6年余ということになります。

そのような中で腹腔鏡による手術とはいえ、

体を切り刻む行為は、かなりの負担になります。

幸か不幸か父親は高齢とはいえ、まだ85歳なので手術をすることになりました。

もし、95歳だったら、経過観察になっていた可能性が高いようです。

95歳の場合、手術の負担に耐えられず、

手術をしたことが直接の原因で死亡してしまう可能性が高いようです。

これは手術の成功、失敗にかかわりません。
 
次に父親のS状結腸の状態があまりよくないため縫合不全の恐れがあることです。

大腸は胃腸の方から言って、

上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸からなり、肛門へと続きます。

手術は簡単にいうと、直腸とS状結腸のほぼ真ん中を切ってつなぎ合わせるものです。

それは直腸の上半分(胃腸側)とS状結腸の下半分(肛門側)が無くなる、ということを意味します。

がんは直腸の中にあります。

そのがんになっている直腸の一部だけを取り除く、ということにはならないらしいです。

父親のようながんの場合、がん細胞はリンパ腺のなかにもあるのが通常だからです。

リンパ腺は体にたくさんあります。

それではリンパ腺をどれだけ取るか、ということが問題になりますがが、

S状結腸の下半分まで、と判断されたようです。

そして、その切断予定のS状結腸の部分に

変形(医師はケイシツという言葉を使っていた)が見られるそうです。

異常の内容はS状結腸に無数の小さなイボのようなものがあることです。

この状態のS状結腸は非常に弱い。

その弱いS状結腸と直腸の下半分をつなぎ合わせると縫合不全が起こる可能性があります。

念のため、それにらばS状結腸を全部切り取って下行結腸とつなげる、

のはどうか、と聞いたところ、その方法はたしかに選択肢としてはありうる、

実際の手術ではそういうことになるかもしれないが、

切除する部分が大きくなるということは大腸がより短くなることを意味するので、

引っ張られる力が強くなり、

結果としてやはり縫合不全を起こす可能性があるです。

色々なメリットとデメリットを比較した結果、

現在では直腸とS状結腸をつなぎ合わせることがいいと判断したそうです。

そして、手術中にS状結腸が予想以上に弱く

縫合不全が予想されると判断された場合は、術式を変更して、

人工肛門に造設に切り替わるそうです。

ちなみに縫合不全では

便が腹部中に漏れて腹膜炎を起こすそうです。

しかもこの腹膜炎はかなり危険なものだそうです。

従って、次善の策として人工肛門の造設が行われることになるそうです。

三つめの問題は、病理検査によって進行がんと最終診断がされることです。

病院からもらった説明書の中に

「腹腔播種を認めた場合には遠隔転移」というのはこのことを指すです。

病理検査の結果は3週間後位にわかるようで、

その頃には既に退院している可能性が高いです。

進行がんと判断された場合はどうするのか、と聞きましたが

医師は経過観察を行うことになる、と言っていました。

それ以上のことは医師の口からは出ませんでした。

私も聞きませんでした。

したがって私の解釈ですが、

進行がんと最終診断された場合には治療方法はほとんどない、とようです。

しかし、今の診断(医師は初期推察という言葉を使っていました)は

あくまでも「初期がん」です。医師から直接確認しました。

病理検査によって進行がんと最終診断される可能性がある、ということです。

もし万が一進行がんと診断された時、

保険適用外の先端医療をするかどうか判断しなければならないことになりますが、

それはそういう診断がされてからでいいと思っています。

というか、他に選択肢がありえません。

その時の選択の話し合いには弟にも加わってもらいます。

四つ目の問題は大腸に癒着が見られる場合です。

父親の年齢からいって一般的にある程度癒着はある、

と医師は考えていて、それを前提に今回の手術は行われます。

しかし、父親の場合、年齢に加えて若いころに結核を患っているので、

予想以上に癒着が進んでいる場合があります。

その場合は腹腔鏡手術を中止して、

開腹手術に切り替わるそうです。

ただし、その可能性は1%です。

以上が今回の手術で予想される主な問題です。

人工肛門造設や開腹手術に切り替わる際に

いちいち家族の許諾はとらないそうだ。

したがって、手術後、人工肛門になっていたことを初めて知ることになります。

提出する承諾書の中にそのことが含まれています。

手術後は一般的にはすぐに一般病棟に移されるそうですが、

父親の場合、麻酔の量は減らすものの投与は続け、

一日程度集中治療室で人工呼吸器をつけることになります。

また若い人の場合は、

目視による全てのがんが取り除かれた場合も抗がん剤が投与されますが、

抗がん剤は体への負担が大きく、

父親の場合にはそれは行いません。

そしてがんが再発した場合も基本的には同様です。

例外的に抗がん剤を使用することもあるそうです。

手術も行われないが、例外がある、そうです。

再発した場合には治療方法はほとんどない、と私は解釈しました。

また、術後排尿障害が起こる可能性があるそうです。

それは手術の際に排尿を司る神経を傷つけてしまうことによります。

術後、すぐにリハビリが行われます。

エコノミークラス症候群の発生を防止するためです。

父親の場合、ほおっておくと寝たきりや痴呆になってしまうこともあるので、

その防止の目的もあります。

実はこれは表向きの説明だ、と私は思っています。

長期に入院すると診療報酬が下がるので

病院としては早く退院させたいのです。

だから場合によっては転院もありうると考えていますが、

リハビリがすぐに始められること自体はいいことなので、今は反対しません。

以上、6月4日の最終説明を私なりにまとめてみました。

手術が理想的な形で終わったとしても

手術後排泄障害が残る可能性は高い、と思います。

排泄障害が起これば食事も自由にできなくなります。

そこで、6月9日に地元の高級寿司店に行くことにしました。

これが父親にとって自由に食事ができる最後の機会になるかもしれません。

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